1990年代と思春期と喪失感

 

自分が思春期を過ごした90年代に聴いていた音楽。

今ではあまり耳にできなくなったものを中心に。

 

森口博子 "ETERNAL WIND〜ほほえみは光る風の中〜" (1991)

作詞:西脇唯

作曲:西脇唯・緒里原洋子

編曲:門倉聡

 

この曲を初めて聴いたのは、森口さんがNHKのポップ・ジャムの司会をしてた時だったから、94年から97年のあいだのどこかなんだと思う。

 

映画の主題歌として聴いたのはそこからさらに何年もあとになるけれども、それでもポップ・ジャムで本人がこの曲を歌う姿というのはおごそかに始まる曲調とともにとても神々しかった。

 

同じころに富永み~なさんが土曜日の深夜にやっていた〈走れ!歌謡曲〉で"水の星へ愛をこめて"を聴いて、〈夢がMORI MORI〉でキックベースをやってたあの人が歌ってる曲だということに驚いた記憶があるけれども、その時の驚き以上の衝撃があったのは、映像の力かもしれない。

 

まるで悲しみのかけらだわ

街をとざす ガラス色の雪

明日を探す瞳さえも

くもらせてゆくの

 

闇のかなた 見知らぬ力に流されて 心がどこかへはぐれてく

はりさけそうな胸の奥で 鼓動だけが たしかに生きている

 

光る風の中 聞こえてくる あなたの声

「Pray don't break a peace forever」その輝きを信じてる

 

https://www.youtube.com/watch?v=yyrlSp4fV6E

 

T-BOLAN "じれったい愛" (1992)

作詞・作曲:森友嵐士

編曲:T-BOLAN、明石昌夫

 

リアルタイムで耳にしてはいたけれども、単純に好きだったという以外にこの曲になにか想い出があるかというと特になく、どちらかというとにちに大ヒットした"MARIA"なんかのほうを中古で買って持ってたりするから、実はジャケットもそんなに見覚えがない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

じれったい オマエの愛がうざったい程 痛いよ

めいっぱい 抱きしめたい

本気の好き 胸にひびくよ

 

ドキドキするような 二人きりに

夜は挑発する にじむ欲望

呼吸が止まる程に

静けさに 胸 破裂しそう

 

じれったい オマエの愛がうざったい程 痛いよ

めいっぱい 抱きしめたい

本気の好き 胸にひびくよ

 

槇原敬之 "彼女の恋人" (1993)

作詞・作曲:槇原敬之

https://www.youtube.com/watch?v=hXcuzhmuKSc

 

この曲を当時どうゆう敬意で耳にしてたのかあまり覚えてないけれど、そのころもってたラジカセで部屋で聴いてた記憶のようなものがぼんやりとある一方でジャケットを見た覚えが全くない。

 

案の定、大人になってからも車を運転したりしない人間のままでいるけれども、当時からこうゆう環境や関係性の中にいることが大人になることなんだなと思う曲をよく書く人だったので、新曲が出る度に大人の自分への不安みたいなものをひしひしと感じながら聴いてた気がする。

 

大人になって、小学校の時のクラスメイトが自分の高校の時の友達とバイト先で知りあってつきあっるってゆう話を聞いた時に、そうやって周りだけが大人になっていくんだなと思ったことも忘れない。

 

 

星の数ほどいる人の中で

どうして君が好きなんだろう

星の数ほどの人の中

一番不幸だなんて思わないけど

 

僕一人だけが友情なんて言葉出して

悩むくやしさより 二人が

似合うのがもっとくやしい

 

星の数ほどいる人の中で

君と出会ったのは嘘じゃない

だから僕の車にロケットがついてても

どこへもつれさらない 僕のものじゃなくても

君がやっぱり好きだから

 

ZARD "君がいない" (1993)

シングルのジャケット

アルバム『揺れる想い』にも収録


 

作詞:坂井泉水

作曲:栗林誠一郎

編曲:明石昌夫

 

ZARDというと小学生のころにヒット曲を何曲も聴いて、中学生になった時にアルバムを中古屋のワゴンの中から300円とか500円で買うというのが当たり前だった。

 

レンタルではなく、2~3年前の作品とはいえ、自分が生きてきた時代のヒット・アルバムが買えたことはすごく嬉しいことだったのをよく覚えてる。

 

よく行った 海岸沿いの店を

通るたび 少し胸が痛い

逃げてゆく幸せに気づいた時

人は"もう戻れない"と思うの

やりきれない週末のメニューは

思い出を整理(かたづけ)たり 映画を見たり

 

君がいない

あの頃の二人も 今はいない

何もかも 時間(とき)のすれ違いと

感じた その時 切なく good-bye

 

CHAGE and ASKA "夢の番人" (1993)

作詞・作曲:飛鳥涼

編曲:澤近泰輔

 

小学生だったこともあって大ヒットしていた"YAH YAH YAH"が聴きたくてシングルをレンタルしたけれども、この曲にとりつかれてしまってダビングしたカセットで何度も聴いた記憶がある。

 

正直カセット・テイプ自体が貴重品だったので、当時はシングルをレンタルしてきてもカップリングの曲は気に入ったものしか入れてなかったはずで、3曲入ってるうちの"君はなにも知らないまま"は今でもタイトルすらピンとこないありさま。

 

何度も聴いたこの曲が好きだったかというと、あまり聴いたことのない不気味な曲調と歌詞にただひたすら怯えながら聴いてた感じで、この曲に対する当時の感覚は今でも残ってて、今はその時の感情を客観的に再生できる感じで聴けて変な感じ。

 

最後に触れた夜を 思い出せないまま眠りに落ちて

夢の改札に立つ 手招く夢の番人お話を選ぶ

 

発車のベル 急ぎ足で

夢人が… 夢人.が・・・ 夢人が・・・

 

古い映画のような 音が流れているプラットホームで

背中を押されるように 今夜も乗り合わせてる

いつもの他人

 

時のサーカス 瞳を踊 らす

夢人が… 夢人.が・・・ 夢人が・・・

 

Oh 時間も姿も抱きしめる恋人も

殺し屋の黒い革手袋の薄さで

 

守られてるような 守りぬけないような

物語はここで 手渡されるチケット 今夜も

 

https://www.youtube.com/watch?v=TEiBicsE5k4

 

高橋由美子 "友達でいいから" (1994)

作詞・作曲:TAMTAM

編曲:岩本正樹

https://www.youtube.com/watch?v=col5dCoNqq0

 

当時人生で最も日本のテレビ・ドラマを見ていた時期かもしれないけれど、この曲が主題歌だった『南くんの恋人』もときどき見ていた記憶がある。

 

高橋由美子さん自身を認識したのはこのへんの時期だと思うけれど、曲自体は90年のデビュー曲"Step by Step"から『魔神英雄伝ワタル2』などのアニメ関連の楽曲のおかげでなじみがあったということを多分95年になって気づいたんだと思う。

 

"友達でいいから"と同じ94年に"Good-bye Tears"がアニメ『覇王大系リューナイト』のオウプニング曲だったこともあって、この時期に出てた曲はよくチェックしていたらしくて、曲名のリストを見ると知ってるものが多い。

 

当たり前だけど、こんな歌詞みたいな恋愛みたいなものは自分の脳内の片想いのでのみ存在していたけれども、実際の人間関係でそもそも友達といえるほどの関係の恋愛対象がいなかった。

 

とぎれた会話のあいまに

彼との想い出にさまよいだす君を

つよく つよく 抱きしめるのさ

「ごめんネ…」とつぶやきながら

ボクにもたれる君の切りたての髪が

風に揺れて頬をくすぐる

 

ひとつの恋が終わるたび この胸で

ふるえるつばさ休めるのもこれが最後なら

 

ああ 友達でいいから… 君が望むなら

真夜中の2時でも 駆けてゆくからね

言葉にはできない気持ちがあるけど

せつなさは愛へのプレバレイションさ

 

西脇唯 "彼女"になりたかった日 (1994)

作詞・作曲:西脇唯

 

西脇さんのことは95年にアニメ『H2』のエンディングの"「二人」に帰ろう"で知って、それから中古屋にCDを探しに行ってこの曲を聴いたのかもしれないけれど、曲は知ってるのに手元にCDがないから、もしかしたら当時すでに耳にして知っていたのかもしれない。

 

長い片想いが報われるという珍しい歌だけれども、サビの「あの子にはなれないけれど "彼女"にはなれる気がした」って歌詞は何度聴いてもすごいと思う一方で、一体どうゆうことなんだろうと今でも思う。

 

このくらいの時期まではホントに明るい曲しか耳に入ってなかったのかもしれないけど、あまりやりきれない気分になるような曲っていうのを、大ヒット曲以外に思い出せない。

 

小さな頃からなまいきだとか 冷たいとか言われて

そんな風にしか自分のことを 思えなくなっていた

靴ずれができたあの子にそっと 差し出したバンドエイド

あなたが初めて言ってくれた 「やさしいとこあるじゃん」

アカンベーをして まとわりつくあの子がまぶしかった

腕組む二人 見えないように いつも前を歩いた

 

あの子にはなれないけれど

”彼女”にはなれる気がした

欲しい恋はつらぬかなきゃ ふりかえらない

少年は大人になって

私のすぐとなりにいる

長い長い片想いは やっと扉をあけたの

 

https://www.youtube.com/watch?v=ICli-OIYbpY

 

WANDS "世界が終るまでは…" (1994)

作詞:上杉昇

作曲:織田哲郎

編曲:葉山たけし

 

シングルが出たのは94年6月で、この曲を収録した『PIECE Of MY SOuUL』が出たのは翌年で、アルバムのほうを5年後ぐらいに中古で買ったためにあまりシングルのジャケットの印象がない。

 

アルバムを聴いてて思ったのが、随所にNirvanaのKurt Cobainの琴がテーマになっていることに気づいて、この曲ではKurtの死がテーマになっていることにもその時。Kurtが亡くなったのがこの曲が出る2ヵ月前。

 

アニメ『SLUM DUNK』のエンディング・テーマではあったものの、話の内容からするとなんで「このTragedy Night」なのかそれまで全然わからなかったけれど、歌詞を書いてる上杉さんがWANDSを脱退してal.ni.coを結成してアルバムを出した時のインタヴューを読んでなかったらもしかしたら今も気づいてなかったかもしれない。

 

 

そして人は 形(こたえ)を求めて

かけがえのない 何かを失う

欲望だらけの 街じゃ 夜空の星屑も

僕らを 灯せない

 

世界が終る前に 聞かせておくれよ

満開の花が 似合いのCatastrophe

誰もが望みながら 永遠を信じない…

なのに きっと 明日を夢見てる

はかなき日々と このTragedy Night 

 

https://www.youtube.com/watch?v=ANH1zuEWrbM

 

松阪晶子 "満月" (1994)

シングルのジャケット

アルバム『夢を眠らせない』にも収録


作詞・作曲:松阪晶子

https://www.youtube.com/watch?v=-INxj_PnqFQ

 

多分この曲をラジオで聴いた遺体にもシングルで出てる曲を知ってたからアルバムを買ったんだと思う。アルバムで聴いてたから収録されてるシングルどれにも思い入れがある。

 

ひたすらサビで同じメロディを聴かせてくれる曲で、ハスキーで情熱的な歌声で体育会系的な雰囲気の切なさが当時の自分に合ってたのかもしれない。

 

言葉を口づけで 奪われる夜は

月夜に照らされて 離れられない

 

満月の夜はなぜか 胸が騒ぎ出す

声が震えるぐらいに あなたに溶けていた

 

部屋の灯静かにけして

握りしめるあなたの影を

 

通り過ぎる愛を 瞳に焼きつけて

忘れた痛みさえ つながれたまま

言葉を口づけで 奪われる夜は

月夜に照らされて 離れられない

 

椎名へきる "せつない笑顔" (1995)

シングルのジャケット

アルバム『Respiration』にも収録


作詞・作曲:大城光恵

編曲:本田昌生

https://www.youtube.com/watch?v=gLudjxhSlvM

 

よくある話だと思うけれど、そもそも声優という職業を知ったのは友達にそうゆう職業があると教えてもらったからで、もちろんそれまでにもドラえもんの声を大山のぶ代さんという人がやってるということは知ってたりしたけれども、その人がそれを職業としてやっているということがわかって、小学校高学年の自分はなんだかものすごくびっくりした。

 

それから少し経過した95年4月、〈マルチメディアカウントダウン〉というアニソンのカウントダウンのラジオ番組が始まったと思ったら『魔法騎士レイアース』で主人公の獅堂光役をやっていた人がパーソナリティの片割れだということで興味をもったのがそもそも椎名へきるさんを意識するきっかけだったと思う。

 

でももしかしたらその年に買ったアニメディアの1月号の付録についていた人気声優の写真入りのプロフィールを見てだったかもしれないけれど、とにかくやたらかわいいことに驚いて、ラジオで聴いた"せつない笑顔"が入ってるアルバムを買いに行ったことを覚えてる。

 

もしも素直になれたら

あなたの腕の中であまえていたい

そしてもしも今度生まれてこれるとしたら

大きな夢なんか見ない

 

「強いんだね」なんて言われた日の

せつない笑顔分かってよ

 

夢見た頃の気持ちを 決して忘れないように

いつもいつもあの日の私が励ますの

泣き顔なんて誰にも見せられない性格で

そんな夜は一人で星をながめてる

 

EMILIA "FLASH IN THE DARK" (1995)

作詞:K.INOJO

作曲:茂村泰彦

編曲:田中裕千

https://www.youtube.com/watch?v=77x3EhyjRYM

 

"HEART & SOUL"も"FLASH IN THE DARK"もCDが出てから数年はずっとラジオで録音したカセット・テイプかMDで聴いてて、その後中古でシングルを買った。

 

名曲"HEART & SOUL"のカップリングにふさわしいすばらしい曲。泣きのメロディと切なさが当時から好き。

 

でも未だに映画のほうは見てない。

 

流れ星をつかまえ

てかわしてゆくブラックホール

どしゃ降りの雨にうたれ

寂しさに泣いたけれど

 

忘れられなかったLOVE SONG

不思議な力の

答どこにあるのか

 

WOW WOW FLASH IN THE DARK

搜し続けたい

誰でも見れるよな夢じゃないはず

 

たとえ幻でも

必ず見つけだす

その時を信じて

歩き続ける

 

X Japan "Forever Love" (1996)

曲はチャートの1位になって大ヒットしたものの、この曲をCLAMP原作の劇場版アニメ『X』の主題歌として劇場で聴いた人は多分そんなにはいないはずで、映画が近所でやっていなかったので始めて浅草に行ったのを今でも覚えてる。

 

94年から95年にかけてCLAMP原作の『魔法騎士レイアース』のテレビ放送を観て、そのラストに衝撃を受けたこともあって、そのCLAMP作品が映画化されるということで『X』を観に行って、再びやりきれない切ないラストにうつむいて帰宅した記憶がある。

 

だから自分にとってこの曲はあくまでも映画の主題歌としてそのやりきれなさを増幅させるものとしてある。

 

もう独りで歩けない

時代(とき)の風が強すぎて

Ah 傷つくことなんて

慣れたはず だけど今は…

 

Ah このまま抱きしめて

濡れたままの心を

変わり続けるこの時代(とき)に

変わらない愛がある ...

 

Will you hold my heart

涙 受け止めて

もう壊れそうな All my heart

 

Forever Love Forever Dream

溢れる想いだけが

激しく せつなく 時間を埋め尽くす

Oh Tell me why

高橋真梨子 "ごめんね・・・" (1996)

作詞:高橋真梨子

作曲:水島康宏

編曲:十川知司

 

多分高橋真梨子さんを知ったのは92年の"はがゆい唇"だった気がするけど、もしかしたらそれは94年のリレハンメル・オリンピック(冬季)のテーマ曲としてNHKで"遥かな人へ"が流れているのを耳にして、その曲をレンタル屋に探しに行った時に一緒にレンタルしたのかもしれない。

 

大人の情事に関する内面描写の歌詞が魅力的だったのかわからないけれども、とにかくメロディの感じが好きで、"そっとLovin' You"なんかもすごく聴き込んでた記憶がある。

 

とはいえ"ごめんね・・・"はセンチメンタルなメロディと自分の過失を懺悔する感じが胸にグッとくる。

 

好きだったの それなのに 貴方を傷つけた

ごめんねの言葉 涙で 云えないけど 少しここに居て

 

悪ふざけで 他の人 身を任せた夜に

一晩中 待ち続けた 貴方のすがた 目に浮かぶ

 

消えない過ちの 言い訳する前に

貴方に もっと 尽くせたはずね

連れて行って 別離(わかれ)のない国へ

 

https://www.youtube.com/watch?v=47jfQj5q9Mc

 

RAZZ MA TAZZ "Orion" (1996)

作詞・作曲:RAZZ MA TAZZ

編曲:今井裕、 RAZZ MA TAZZ

 

同じ96年に藤井フミヤの"Another Orion"が大ヒットしたけれども、こっちの"Orion"はトップ10にも入らないスマッシュ・ヒット曲。

 

当時友達がレンタルでカセットにダビングしたものを聴かされて、それをさらにカセットにダビングしてもらって聴いてた記憶がある。

 

95年のアニメ『あずきちゃん』のオウプニング曲として"素敵な君"を聴いていたので知ってはいたけれども、それとは曲調が全然違うのでのめりこんでしまった。

 

97年の"Regret"も切ない曲で好きだった。

 

どうして 土砂降りの中

夢中で 捜してるんだろう

2人出会った あの日も雨が降ってた

 

夜更けの交差点で

泣いてる 背中見つけて

 

こんなに知ってたはずの君の頬を

祈るように 僕はなぐった

 

からまった唇 今 ほどいて

あの日の2人にまた戻ろう

外は凍えそうな寒い夜さ

 

https://www.youtube.com/watch?v=RKHNkv_7d2I

 

辛島美登里 "あなたの愛になりたい" (1996)

作詞・作曲:辛島美登里

 

多分辛島さんの曲を意識するようになったのはTWO-MIXのラジオ番組で永野椎名さんが「以前辛島さんの作詞をしたことがある」ってゆう話をしたことがきっかけだった気がする。

 

この曲はリアルタイムで耳にしていた気がするけど、そんなこともあって辛島さんの曲をどこかで耳にするようになるとちゃんと聴くようになったのはもしかしたらこの数年後かもしれない。

 

90年に出た"サイレント・イヴ"のほうがこの曲よりも切ない感じはあるけれども、正直それをリアルタイムで聴いた記憶がないのでこちらを。

 

うれしいこと せつないこと いっぱい感じられるように

渇かない 瞳をもって ひとは 生まれてきた

 

そう ふたりは ふたつの こころ 育てながら 巡り会った

すこし違う すこし不安 だからなおさら 好きになれる

 

あなたの愛になりたい はなれても そばにいても眠っても その声を 聞いてる

あなたの愛になりたい ひとりでは生きられない

気づいたのとなりにある 温もりに はじめて

 

https://www.youtube.com/watch?v=587U7hUZPfw

 

柾木阿知花(林原めぐみ) "ALCHEMY OF LOVE~愛の錬金術" (1996)

作詞, FRANK CHRISTOPHER GEORG

訳詞:室生あゆみ

作曲, FRANK CHRISTOPHER GEORG

 

劇場版アニメ『天地無用!in LOVE』のT-マ曲の日本語ヴァージョン。オリジナルのテーマ曲はNina Hagen and Rick Judeによる英語の歌詞。

 

当時Nina Hagenが世界的に有名な人ということも知らずに、映画を観た衝動か、そっちのほうのシングルを買ってよく聴いてた。

 

どっちも好きだけれども、柾木天地の母親役という役どころの柾木阿知花(あちか)の心境が歌詞になってるキャラクター・ソングともいえる内容に、林原さんの巨大な母性が乗っかっているというとてつもない歌唱。

 

映画自体は天地たちが両親が学生時代まで時空を超えて、未来が改編されないように両親を守りに行くという内容で、天地が幼いころに阿知花が亡くなっていて、天地は母親のかわいさにちょっとドキドキしてしまうという展開。

 

林原さん自身の役どころはジャケットにある通り高校生という立場だけれども、それでもこの曲を歌った時はまだ30歳目前の20歳。母親役のキャラクター・ソングという意味でも貴重な1曲。

 

あなたを思えば 何処へでも行ける

ときめく思いを 大事にして

はるか大地が続いても

行くわ きっと

金色に輝き あなたを守りたい

 

そのとき二人感じるの

かけがえのないものを

気まぐれな愛の駆け引きを

つづる術は Hm・・ALCHEMY OF LOVE

 

Nina Hagen and Rick Jude - "Alchemy of Love"

https://www.youtube.com/watch?v=GCwGLKu8_tI

 

ARIANNE "Komm, süsser Tod" (1997)

日本語原歌:庵野秀明

翻訳:Mike Wyzgowski

作曲:編曲:鷺巣詩郎

 

少しシュールかもしれないけれども、この曲を収録したシングルが出た時のタイトルは〈THE END OF EVANGELION [仕様楽曲3曲収録シグル]〉というもので、このシングル曲を含むサウンドトラックのタイトルは『THE END OF EVANGELION』というもの。映画自体には『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』というタイトルがあるものの、不思議なことにそのタイトルはシングルにもアルバムにも反映されてない。

 

そもそもアニメのサウンドトラックからシングルがリリースされるというのも異例の事態だったし、しかもそれが理語の曲で誰だか知らない人が歌ってるのにヒットしたというのも変わった時代だったと思う。

 

映画自体は公開時に観て、ものすごい興奮とただひたすらにポカ~ンとした気もちで帰ってきたけれども、シングルもアルバムも手に入れたのはそれから数年後。ちなみにシングルの1曲目はLOREN & MASHの"THANATOS -IF I CAN'T BE YOURS-"だったので、当時そちらの曲のほうが多く流れてた気がするけれども、そっちの曲は歌詞をMASHが書いていて対訳がないの。

 

It all returns to nothing, it all comes

tumbling down, tumbling down,

tumbling down

 

 

無へと還ろう

無へと還ろう

無へと還ろう

無へと還ろう

 

https://www.youtube.com/watch?v=6wx6_pBnDSs

 

岡崎律子 "愛してほしくて" (1997)

作詞・作曲:岡崎律子

編曲:長谷川智樹

 

97年に発売された初のベスト・アルバム『Rain or Shine』に収録された、当時の新録曲。

 

岡崎さんの曲の多くがどんな現実でも前向きな心境が歌われているものが多い中で、明るい曲調に、いじましい始まりかたで、ハッピー・エンドが待ってるのかと思うと、ここまで切ない曲はほかにないかもしれないと思うような歌詞の終わりかたが印象的。

 

風に揺れる草の中を 君は泳ぐように走る

待って ねえ おいていかないで

僕は泣きたい気持ちになるよ

 

誰にも渡したくなくても 

君の愛は 他者(よそ)にある 

思いの強さで競っても 

僕はいつも君の one of them 

 

もっともっともっと君を いっそぎゅっとぎゅっと 

抱いてつかまえてしまいたい 

ずっとずっとずっと思い続けても 

叶うとは限らない

 

https://www.youtube.com/watch?v=OOpFmANulBQ

 

種ともこ "カギのかかる天国" (1997)

シングル のジャケット

アルバム『Locked In Heaven』にも収録


 

多分新居昭乃さんのラジオ番組〈Viridian House〉で聴いて、CDではなくてMDに録音したものを繰り返し聴いてた。

 

検索しても歌詞が出てこないけれど、種さんの曲でいちばん好きな曲を挙げろといわれたら間違いなくこの曲になるような切ない曲。

 

近所のCD屋さんにはアルバムしかなくて、そのせいでやたらとアルバムのジャケットの印象が強い。

 

種ともこ "LOVE SONG" (1998)

 

"LOVE SONG"

作詞:種ともこ

作曲・編曲:新居昭乃

https://www.youtube.com/watch?v=Lf4AaqoBz5Y

 

98年10月から翌年3月まで放送されたアニメ『ガサラキ』のエンディング曲。種さんの歌うオープニングの"Message #9"も同時発売で、そっちは全編英語。

 

種さんがいかに悲恋名歌の名手かはこの曲の歌詞でもわかる。

 

抱きたい 鏡に映った

あなたの運命

聞こえない声で風の中

呼んでるの ah

泣いてるの ah

ひとり

 

痛みをあなたの胸から追いださないで

私につないでください

 

こわして 私の心を

赤い悲しみが

あふれて流れてくるから

今はただ ah

ひとみ閉じ ah

砕けてしまいたいの

 

"Message #9"

作詞:種ともこ

作曲・編曲:保刈久明

https://www.youtube.com/watch?v=0nU0dNTk3zg

 

小松未歩 "氷の上に立つように" (1998)

97年に『名探偵コナン』のオウプニング曲として"謎"でデビューした時の衝撃は、またひとりすごい人が出てきたという印象とともに、それがZARDと違って自分で作詞も作曲もするというところにあったかもしれない。

 

しかも曲名がそのままサビの一部で、サビの内容がそれまでに聴いたことのないものだったというような、言葉による表現の発明を次々にしていったことで、ホントに夢中になってしまった。

 

その一方でテレビの歌番組にも出なければミュージック・ヴィディオウで動いてる姿が見れるわけでもなく、その存在はまさに謎で、シングルCDのジャケットやアルバムのブックレットの中の写真でしかお目にかかれない存在だった。

 

『コナン』に使われた曲では同じ98年の"願い事ひとつだけ"の歌詞の切なさも素晴らしい。

 

宇宙船が目の前に降りたら

迷わず手を伸ばし その船に乗り込みたい

その日 一日を悔やみたくないから

きっと友達だって残し 地球を旅立つの

 

何もない毎日が一番だと言うけれど

本当は逃げてる 君のいない日々に負けて

 

氷の上に立つように危なげなこともしたい

思い描いてた夢も形にしてみたい

Forever My Destin

Lene Marlin "Unforgivable Sinner" (1998)

作詞・作曲:Lene Marlin

 

坂本真綾さんのラジオ番組〈I.D.〉でこの曲を紹介した時の衝撃をよく覚えてる。

 

曲自体がシングルで出たのは98年だけれどもアルバムが出たのが翌年の99年だから、この曲を聴いたのも99年。

 

ノルウェーの女性なのに身長が150センチちょっとしかなくて、日本のギター・メイカーTakamineのギターを使ってるってゆうことを知ったのはその時だったか、アルバムのライナーノウツを読でからだかは覚えてない。

 

歌詞の意味については当時もよくわからなくて、本人もそのことについては全然説明していないらしく、好きなように受け取っていいということらしい。

 

そうゆうこともあってか、暗めなんだけどカラッとしてポップな曲調に魅了されて何度も何度も繰り返し聴いた。

 

Kinda lose your sense of time

'Cause the days don't matter no more

All the feelings that you hide

Gonna tear you up inside

You hope she knows you tried

 

Follows you around all day

And you wake up soaking wet

'Cause between this world and eternity

There is a face you hope to see

 

You know where you've sent her

You sure know where you are

You're trying to ease off

But you know you won't get far

And now she's up there

Sings like an angel

But you can't hear those words

And now she's up there

Sings like an angel

Unforgivable Sinner

 

あなたは時間の感覚を失っているように見える

だってもう時が流れることに関知していないのだから

あなたが全ての感情を隠すからあなたの心はずたずたになるのよ

あなたが努力していたことを彼女が分かってくれていればいいのだけれど

 

一日中翻弄されていたあなたは

汗びっしょりで目覚める

だってこの世とあの世の間に

あなたが見たい“面”(=あなたが会いたい人?)があるのだから

 

あなたが彼女を送った場所はあなたには分かっているのだから

あなたはあなた自身の居場所も把握するべきなのよ

あなたはゆっくりと離れようとしているけれども

それが何の意味もなさないことはあなたには分かっている

今そこには天使のように歌いながら彼女がいるのだから

でもあなたには彼女の言葉が聞こえない

今天使のように歌いながら彼女はそこにいる

赦すことのできない罪深き人

 

https://www.youtube.com/watch?v=g47HSVt_ykc

 

石嶺聡子 "バイバイ" (1998)

シングルのジャケット

ベスト・アルバム『Ballad Song Stories』にも収録


作詞:拝郷芽衣子

作曲:松森由良

https://www.youtube.com/watch?v=m6MXBLB3XrE

 

どうゆう敬意で知ったか思い出せないけれども、多分ラジオだったんだと思う。そのせいでジャケットに関してはベスト盤のもので聴いてたので、そっちに愛着がある。

 

石嶺さんの曲はこのへんで知ったので、逆に紅白歌合戦で"花"を歌ってたなんていうことはのちに知った。

 

下に引用したのは2コーラス目以降の歌詞だけれども、1コーラス目から最後まですばらしい歌詞で、大人の恋愛の引き際の美しさに、心のどこかに理解しがたいものがありつつ、そうゆう別れもあるんだなぁと思ってた。

 

時々は立ち止まって

あなたのことを考えてる

強がりも 欲張りも

受け止めてくれたあなたを

 

別々の道 すすんでみよう

行き先は教えてはあげないよ

今より少し 強くなれたら

出会った理由もわかるはず

 

こんなふうに あなたと過ごしてた

大きな時間を ぜんぶゼロにしないように

始まったばかりの 物語を歩き出さなきゃ

もうひとりの 弱い私に

気付かれないうちに

 

GRAPEVINE "光について" (1999)

シングルのジャケット

アルバム『Lifetime』に収録


 

作詞:田中和将

作曲:亀井亨

編曲:GRAPEVINE、根岸孝旨

https://www.youtube.com/watch?v=K8KRWEZOvSE

 

アルバムで聴いてたせいか、シングルのジャケットに見覚えがない。

 

アルバムにはこの曲以外にも"スロウ"や"白日"、"望みの彼方"といったシングルの名曲が並んでいて、その文学的な歌詞のラッシュにめまいがするような感じだった。

 

大人と学生の狭間のような、希望と失望の狭間のような歌詞がどうしようもなく魅力的だった。

 

 

もう一度 君に会えても 本当は

もう二度と届かない様な気がしてた

 

 

光に満たされてゆくこの世界の中 何をしていられた?

誰もがうかれて理解りあったつもりなら それだけでいられた

いつか いつか忘れてゆく人になるさ

 

そうきっと 昨日に疲れたんだ ほんの少し

情熱を 抱えたままで 待ってるのか

 

何もかも全て受止められるなら何を見ていられた?

誰もがうかれて理解りあったつもりならそれだけでいられた

いつも いつも

 

光にさらされてゆくこの世界の中 君を見ていられた

涙が流れて聞こえなかったとしても

空に浮かべていこういつも いつも

僕らはまだここにあるさ

 

Rumania Montevideo "Still for your love" (1999)

作詞:三好真美

作曲:三好誠

編曲:古井弘人、三好誠

 

https://www.youtube.com/watch?v=SkyuedUI394

 

世界でいちばん憧れるバンドを選べといわれたらきっとこの5人組を選ぶと今でも思う、男ふたり(どっちもギター)に女3人(ベース、ドラム、キイボード)で女性上位の空気に満ちていたバンド。

 

この曲の〈未来がちぎれるのを見た〉という強烈な言葉に呪われてるような気がするぐらいデビュー曲のこの曲でやられてしまった。

 

サビの部分は明るい言葉が並ぶ一方でその背景にある犠牲を音と言葉で淡々と紡いでいく名曲。

 

何かが起こりそうな夜は 祈りをささげて目を閉じなよ

こんな月のとける夜に 愛され生まれてきたのとママは言った

 

お願い遠くへ行かないでと なぜママは涙を流すの

ずっとずっとそばにいるよ 小さな心で思ってたけど

あの人に会うまでは 心ゆらされるまでは

そして全てはからまわり 未来がちぎれるのを見た

さぁ 裸足になって 大地けって 虹をこえて 空をつかんで

 

I wish 胸の十字架をにぎり 朝は

希望があなたにふりそそぎ 夜は

やわらかな光が あなたを包みこみ 明日への勇気を与える

 

the brilliant green "冷たい花" (1999)

作詞:川瀬智子

作曲:奥田俊作

編曲:the brilliant green

 

女の任がこんなに凶暴な歌詞を自分で書いて歌うことに衝撃を受けた曲かもしれない。しかもそれがパンクではなくてけだるい感じの曲だったことがかっこよかった。

 

清らかな心で ぶっ潰したい

夢も希望も捨てた 自分の手で

怖れていたもの 何だったっけ

そう今はもうわからないし わかりたくもない

 

ここからまた日は昇って

この空に痛切に何か感じても

想い出と切なく語らうことが

何の役に立つってゆうの wo yeah. 

 

I'm feeling my self again.

I'm feeling better now

大切に 壊したい oh

I'm feeling my self again.

I'm feeling better yeah

冷たい花を 蹴り散らすように

 

https://www.youtube.com/watch?v=omy9uQyiSl4

 

小谷美紗子 "火の川" (1999)

シングルのジャケット

アルバム『うたき』にも収録


作詞・作曲:小谷美紗子

https://www.youtube.com/watch?v=cnicwixycQY

 

当時、富澤一誠さんのやっていたラジオ番組〈Japanese Dream〉という、その月に発売されるシングルを全部聴いてリスナーからの投票で月刊ランキングを作るという番組を聴いていて、この曲は99年2月の月刊チャンピオンだったのをよく覚えてる。

 

ラジオ番組で流れた曲はMDに録音して繰り返し聴いていたせいであまりシングルのジャケットに印象がなくて、アルバムはのちに近所のレンタル屋で目にしていて、どちらかというとそっちのほうを覚えてる。

 

女性が自分の情念を歌に叩きつけるというと、それまでにも中島みゆきさんの曲なんかは耳にしていたけれども、あの力強さとは違って、はかなさとどうにもならない諦念が強烈に伝わってくる感じが好きだった。

 

赤い目をした子うさぎが

横たわる私を恐れず

私から抜けて行くものを

じっと赤い目の中で動かしてる

 

あなたが他の人のものに

なって行くのを見つけたって

出来る事は何もない

それでも元には戻らない

 

これは現実なのさ

地の果てから来たのさ

赤い火の川

さぁ 逃げなさい

 

私たち粉々になったよ

あなたといる自分が嫌いだったよ

夏が置いていった空き缶の様に

夢をほったらかしにしてたよ

 

al.ni.co "晴れた終わり" (1999)

シングルのジャケット

アルバム『セイレン』にも収録


作詞・作曲:上杉昇

編曲:柴崎浩

 

大ヒットを飛ばしていたWANDSを脱退したヴォウカリストの上杉昇とギタリストの柴崎浩がふたりで組んだユニットのセカンド・シングル。

 

この曲を含むアルバム1枚のたった1年ちょっとで解散してしまったけれども、時代と逆行して90年代初頭にアメリカを中心に流行ってとうに古臭いものになってしまっていたグランジ・ロックをやろうとしたユニットだった。

 

ちなみに上杉さんが脱退した理由が「アニメのタイアップが決まってばかりで自分のやりたい音楽ができずに辟易したから」ということだったのにも関わらず、なぜかアニメが好きで自分にも届いてしまったのは皮肉かもしれない。

 

この曲がものすごく好きで、シングルもアルバムも買った。

 

I know time

It's best moment of my life.

I know the time will come without fail.

Live, and wait for the day.

 

太陽の中陽だまりのなかで

すべてを解き放ち白に染まる

満開の花に包み込まれて

後悔は一つも見当たらない何もない

 

そんな晴れた終わり

安息は永劫へと

変わりゆくだろう

Live, and wait for the day.