2016年に読んだまんが(新刊)

11月

みなもと太郎

『風雲児たち 幕末編』28巻

 

湯木のじん

『これは愛じゃないので、よろしく』2巻

(集英社、マーガレットコミックス、雑誌「別冊マーガレット」にて連載)

10月

芦原妃名子

『Bread & Butter』5巻

(集英社 マーガレットコミックス。「Cocohana」連載

藤原ゆん

『はつこいのいろ』

(集英社、『別冊マーガレットsister』連載作品)

緑川ゆき

『夏目友人帳』 21巻

(白泉社、花とゆめCOMICS、「LaLa」にて連載)

安彦良和

『天の血脈』8巻(完結)

(講談社、アフタヌーンKC、アフタヌーン連載)

 

小山 ゆうじろう (著)

イーピャオ (企画・原案)

『とんかつDJアゲ太郎』8巻

(集英社、「少年ジャンプ+」にて連載)

9月

志村貴子

『娘の家出』5巻

(集英社、YJC、「ミラクルジャンプ」連載)

タアモ

『地球のおわりは恋のはじまり』2巻

(講談社、デザートKC、「デザート」にて連載)

 

8月

渡辺カナ

『ハンキー・ドリー』2巻

(集英社、マーガレットコミックス、雑誌「別冊マーガレット」にて連載)

7月

湯木のじん

これは愛じゃないので、よろしく』1巻

(集英社、マーガレットコミックス、雑誌「別冊マーガレット」にて連載)

湯木のじん

今日もアイツは丸かった。

(集英社、マーガレットコミックス)

志村貴子

『こいいじ』4巻

(講談社、「Kiss」にて連載)

小山 ゆうじろう (著)

イーピャオ (企画・原案)

『とんかつDJアゲ太郎』7巻

(集英社、「少年ジャンプ+」にて連載)

6月

みずしな孝之

『いいでん!』4巻(最終巻)

(「週刊ファミ通」にて連載)

 

新作のゲーム・ソフトを紹介する2ページごとのフルカラー漫画の連載だけれども、紹介する作品の2次創作的なトリビュート漫画が毎回違う作品をとりあげてられると、みずしな先生がどの作品にハマっているのかよくわからずに感情移入しにくく感じることで、同じ「ファミ通」で連載している伊集院光さんのコラムのように何週かに渡ってひとつの作品のプレイ状況を知れるほうが好きだったかもしれない。

 

そうゆう意味では『いい電子』の初期のころのプレイ日記漫画が多かったころのほうがゲームに対する関心が持てたような気がする。

 

とはいえ、この単行本の好きなところはひと通り読むのに結構時間がかかるので、多少かさばるかもしれないけれども長時間の移動のお供にもってこいなのと、情報量自体が多いので読み返しがきくこと、そしてあまりゲームをやらない人間でもゲームは今どんなふうに広がってるのかわかることだったかな。

 

まんが自体のおもしろさも含めて、自分にとってこの作品じゃないとダメなものが大きかった作品。

 

田島 昭宇×大塚 英志

『多重人格探偵サイコ』24巻

(最終巻)

(角川書店、「ヤングエース」にて連載)

咲坂伊緒

『思い、思われ、

ふり、ふられ』 3巻

(集英社、マーガレットコミックス。別冊マーガレットにて連載)

5月

河原和音

『素敵な彼氏』 1巻

(集英社、マーガレットコミックス、雑誌「別冊マーガレット」にて連載)

カヅホ

『カガクチョップ』 3巻

(ほるぷ出版、メテオCOMICS、ウェブコミック「COMICメテオ」にて連載)

4月

みなもと太郎

『風雲児たち 幕末編』27巻

 

緑川ゆき

『夏目友人帳』 20巻

(白泉社、花とゆめCOMICS、「LaLa」にて連載)

タアモ

『地球のおわりは恋のはじまり』1巻

(講談社、デザートKC、「デザート」にて連載)

小山 ゆうじろう (著), イーピャオ (企画・原案)

『とんかつDJアゲ太郎』6巻

(集英社、「少年ジャンプ+」にて掲載)

 

 

3月

安彦良和

『天の血脈』7巻

(講談社、アフタヌーンKC、アフタヌーン連載)

 

『王道の狗』ではふたりのキャラクターが真逆の道を選択してどんどん対立してくというわかり易い構図だったところから一転、『天の血脈』では色々な人物が時代や環境の変化にってゆらいでいく思考がかれていく。

 

それぞれのキャラクターの転向をえがくことがこの作品の主なテーマのひとつだと思って読んでいるけれども、もうひとつのテーマが未だにつかみきれない。

 

渡辺カナ

『ハンキー・ドリー』1巻

(集英社、マーガレットコミックス、「別冊マーガレット」連載)

 

男子はキラキラにえがいたまま、主人公の女の子が動揺するシーンをデフォルメ化したり、色んな技術で表情でえがいていて、1話の中の緩急に幅が出たようか感じで読んでいて楽しい。

 

幼なじみの双子の男子と、高校に入学して初めてできた友達との四角関係が開幕。

 

渡辺カナさんはどの作品でも男子にイタさというか残念さを求めてる部分がある気がするけど、今回は双子の片方がアマチュア無線部な上に、子どものころに出会った時は帽子のゴムを味わってたという設定なのも人によってはポイントが高く感じるかもしれない。

 

志村貴子

『娘の家出』4巻

(集英社、YJC、「ミラクルジャンプ」連載)

 

オムニバスの群像劇で登場人物が多いので、毎回ドラマチックなことが起きたキャラクターの話がえがかれるので、同じところをグルグルして、自分の人生やら関係性が進んでるのか進んでないのかわからないようなデビュ作の『敷居の住人』から遠くに来たことを感じて切ない。

 

それでも漫画でしか表現できないような思春期の色んな感情を描く感覚があせてないことにホッとするような、あのころと同じようにざわざわするような。

 

誰かとの出会いによって人生が開かれることがテーマなのかもしれないと今になって気づいた。

 

ろびこ

『僕と君の大切な話』1巻

(講談社、KCデザート、「デザート」連載)

 

男女間のわかり合えない生態のあるある話のミニマルな会話劇をラブコメとして昇華して、オチの読めない展開に持っていく手腕がすごかった。

 

説明によると「新感覚"トーキング"ラブコメディ」らしい。

2月

咲坂伊緒

『思い、思われ、

ふり、ふられ』 2巻

(集英社、マーガレットコミックス。別冊マーガレット連載)

 

誰かに感情移入して読むこともできるけれども、群像劇として胸キュンシチュエーションを神視点で楽しむ人にも向けてかかれている気がして、どちらかというとそれぞれのキャラクターの恋模様を俯瞰して読んでいて楽しい。

芦原妃名子

『Bread & Butter』4巻

(集英社 マーガレットコミックス。「Cocohana」連載)

 

もしかしたら今いちばん新刊が出るのを楽しみにしてる作品かもしれない。

 

それぞれの人生も人間関係というしがらみも重さと、しなやかな軽さが画面に同居していて、読み心地がいい。

 

「人はパンのみに生きるにあらず」という言葉があるけどパンが暮らしに彩りを与えてくれる。

大沖

『ひらめきはつめちゃん』6巻

(マッグガーデン。「コミックブレイド」連載)

 

大沖先生にとって初めて連載の最終回を迎えた作品ということもあるけれど、連載が始まったのが2008年だったという〈あとがき〉を読んで感慨がこみあげてきてしまった。

 

『はつめちゃん』を初めて読んだ時に、同じく大沖先生作品の4コマまんがの『はるみねーしょん』が漫才なら4コマと自由なコマ割りを組み合わせた『はつめちゃん』はコントだなぁと感じたことを今でもよく覚えてる。

 

この2作品を通じて4コマのシステム自体がリズムとして漫才やコントで必要とされる笑いのテンポと合ってるのかもしれないということを学んだ気がする。

1月

原案:イーピャオ

漫画:小山ゆうじろう

『とんかつDJアゲ太郎』5巻

(集英社。「少年ジャンプ+」掲載作品) 

 

ダジャレが推進力となってるまんががここまでハイペースでリリースされてるのは奇跡なんじゃなかろうか。絵も植田まさし先生ばりにたぎりまくってる。

志村貴子

『こいいじ』3巻

(講談社。「Kiss」掲載作品)

 

どんなまんが家でもそのはずなのに、デビュー当時はキャラクターの顔の描き分けができていないというのをなにかの単行本で自虐的に書いていたのを今でも覚えているけれど、それがここまで描き分けまくっていく画力にひたすら圧倒される。

その一方で志村さん自身の分身が誰なのかということがわかりにくくなったのも事実で、未だになにを感じながら読めばいいやら迷子ではある。

鬼龍駿河『乙女ループ・乙』

(白泉社。「楽園」掲載作品)

 

連載のほうを読んでないので、本屋さんで発見した時は奇跡かと思った。そして今回も表紙は見事に有名な漫画家の先生たちによる帯の絵とコメントで売っていこうというデザインで、持ってるだけでありがたい(帯をとると下の方は白い)。

 

表は蒼樹うめ先生、ひっくり返すと木尾士目先生と石黒正数先生という、みなさん原作がアニメ化されたことのあるかたがた。

 

そしてなにが奇跡かというと、連載をまとめたものなのに前作が出たのが2012年4月という、海外のミュージシャンのニュー・アルバムぐらいのペイス。

 

そして中身は女子高生3人がただ会話してるだけで、これといった突飛なシチュエイションも特にない乙女の日常。